働け!がん患者!(ゆっくり療養したいけど...)

収入保証も医療保証も年金も無い人が癌になってしまったら...。肺腺がんステージ4サバイバーのテキトーすかたんエッセイブログです。古い順に1)から読んで頂ければ、とても幸いです。

20) 名看護師

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2017年9月15日
朝食後、食堂でストレッチをしている時、テレビが北朝鮮のミサイル発射を報じていた。北朝鮮のそれは、お馬鹿な暴走族が「オレはスゴいんだぞー!なめんなよー!」とバイクを吹かしながら走りまわっている様子と似ているなぁ、と思った。
この病院は東西南北とても見晴らしが良いので、もしかしたらそのミサイルが見えるのではないかと、口を開けて空を見上げていた馬鹿もここにいる。馬鹿が馬鹿を見ようとしていたわけです。そんなばかばかしい話でした。

次の月曜日は敬老の日で祝日らしい。そのため世間一般は明日の土曜日から3連休になる様子。オラぁずっと休みだから関係の無い話なのだが、そんな時、オラよりずっと年上の女性の看護師さんからオラの外泊(一時帰宅)の話が出た。連休中は医師も休みだし、治療もないし、故にこの際、自宅に戻ってみてはどうか?との事だった。しかし、外泊中は(感染しやすいので)必ずマスクを着用する事、人ごみを避ける事、食べ物の注意等々、あれこれ気をつけなくてはならない点も多々あるようだ。「注意しなくてはならない事」が多く「ならば、帰ってもなぁ、だったらここに居た方が楽かなぁ...」と、少々面倒さを感じ、外出するかどうかしばらく迷っていた。

看護師さんは「外泊するかしないかはあなたの自由だけれど、ここで我慢したからといって、次は安心して外泊できるというわけじゃないのよ。」と言った。しばらく話しているうちに、つまり、遠まわしに「ここで頑張って入院を続けても、完治して退院できるというわけじゃない事」をオラに理解させて「これから病気と上手く付き合いながら生きていく事の練習」を、少しずつさせようとしているのではないかと思った。

この看護師さんは、その長年の経験から、きっと、何人もの亡くなっていったがん患者を見てきた事だろう。だから必然的に「病気と死」について、目を背けず、真剣に向き合うようになったのではないかと思う(あくまでも勝手な想像だけど)。安易に微笑みながら「大丈夫ですよ~」なんて事は決して言わない。オラはこの看護師さんの笑った顔を見た事がない。とても信頼できる素晴らしい人です。

さて、外泊どうすんべ...。
(続く)

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