43) 医療用麻薬と落語会とお笑いと
2018年9月
主催・主演の樋口強氏もスタッフもお客さんも、みんな癌の患者か身内か関係者ばかりという落語の会に行ってきた。「大いに笑って免疫力を高めよう。」といった趣旨の、落語と癌の会なのです。
人の性格によって、癌になり易かったり、なり難かったり、なんていう話があったり無かったり。最近の朝日新聞には「やはり関係があった」という国立がんセンター発表の記事が載っていたりして、はっきりした事はわからないのですが、ま、いずれにせよ、毎日怒ったり悲しんだり苦しんだりしているよりは、毎日笑っていた方がいいに決まってる。とは思いますわな。
オラは、嫌な事が頭から離れない時、TV録画したお笑い（よしもと新喜劇や大木こだま・ひびき 等々）を見て、嫌な事を消去している。「一度見たら飽きるやん。」とのご意見もあるかもしれませんが、オラは飽きないのですよ、何故か。面白いものはいつも面白い！そーゆー結論ですわ。
オラはもともと、一度好きになったモノは、何年経っても相変わらず好きな事が多い。ヒトによっては、次々に新しいものを取り入れて楽しんでいる人も居るけど、なんかオラは違うですよ。
本題からちとズレます。以前、とても気に入っていたクルマが壊れて修理不能となってしまった時の話です。そんな時、普通の人だったら、違う車を欲しがるものでしょうが、オラぁまた同じクルマを欲しがった。しかし、そのクルマはもう製造中止のうえに世間一般的には人気の無い車なので、中古車のタマ数も非常に少ない。結果的に「また同じクルマに乗る」という希望が叶う事はなかったのですが、結局、当時は、そのお気に入りのメーカーの同じようなクルマを3台乗り継いだという経験がある程です。（もちろん新車は無理なので中古車よ。）
オラは一度気に入ると、それが「普通」になって、その「普通」を心地良いと感じているのかもしれない。のかなぁ..？
作家椎名誠氏のエッセイ「ごっくん青空ビール雲」を読んでいて驚いた事がある。なんと、椎名氏もまた、オラと同じクルマで同じような事をしていたらしいのです。何だかとっても嬉しいエピソードだったなぁ..。
あー、それにしても随分話が横にそれてしまった。「何年経っても飽きない」という話ではなく「嫌な気分の消去方法」を書いていたのです。「オラは嫌な事が頭から消えない特にはTV録音しておいた「お笑い」を見て笑って嫌な思いを消去する。」という話でした。これでイイのだ。
「いのちの落語独演会」の会場（深川江戸資料館）には余裕を持って早めに行ってみた。それは「お昼ご飯は深川めしの人気店に行く」「近所の清澄庭園を探索する」という2つのサブ目的、意気込みがあったからだす。
で、行ってみました清澄庭園。まず、入園料を払い、チケットと公園案内図をもらった。で、入園して公園内を一望する。が、もはや公園内を一周する気力は無い。体力も無い。で、入口近くのベンチに座り、公園全体をしばらく眺めた。で、おシッコが近いのでトイレに行き、公園を出た。
滞在時間約30分弱。入口付近をただウロウロしただけの公園散歩。入場料を払っただけの公園散歩。おシッコしただけの公園散歩。でも、それなりに満足しているという変わった夫婦なのです。
お昼ご飯は超人気店の深川めしを食べた。まだ新しいきれいな店だった。下町の深川めしって、こんな上品な味だったんだね。もっと江戸っぽい味（どんな味じゃい）のぶっかけめしを想像していたので予想とは違ったけれど、満員行列大繁盛のお店でした。ボンビーマンには少々お高いかなぁ。
さ、落語落語。一般的にだいたい貧しい奴等は前の方に座りたがるものなのだ。オラ達夫婦もそうなのだ。演者もお客もお互いに顔の表情がわかる距離。さあ、好きな落語を楽しもう。
しかし、落語の最中、不覚にも寝てしまった。おそらく癌の痛み止め薬のせいだ。強い鎮痛剤にはどうしても眠気が伴うらしいのだ。病気だし薬のせいだからしょうがないとは思うけれど、ならば己を知り「後部座席の端っこに座んなさいよ」と自己嫌悪。ごもっともです、ごめんなさい。と思ったら、なんと妻も寝ていた。なんでアナタが寝てんのよ？ 演者の方々、まったく本当にごめんなさい。
講演後半、バカ夫婦は後方の席に移動し、眠気と本格的に格闘していたのでございました。
そんなこんなで、使用していた医療用麻薬ナルサス（飲み薬）は、痛みと眠気のバランスがうまくいかず、同じく医療用麻薬のフェントステープ（貼り薬）に変えてみる事になりました。
（続く）
